マンション大規模修繕工事の意義は、マンションの資産価値を維持・向上させることにあります。「維持」と「向上」に分けているのには理由がありますので、簡単にご説明します。
マンションの構造躯体や設備は、経年によって劣化していきます。汚れたり錆びたりして美観が損なわれると、入居者も快適に過ごせなくなります。そこで、大規模修繕を検討するわけですが、この工事はマンションをきれいにすることだけが目的ではありません。
例えば、外壁の塗膜が劣化すると汚くなるだけでなく、コンクリートの傷み・ひび割れにつながります。ひび割れを放置しておくと、そこから雨水が浸入し、内部の鉄筋が錆びるなどして、構造躯体そのものが脆くなり、マンションの資産価値が下がってしまうのです。
大規模修繕工事の第一の意義は、美観を回復させるとともに、劣化した建物や設備を初期の状態まで戻すこと。これが、資産価値の「維持」という意味です。
マンションの資産価値「維持」は機能回復という意味合いが強いのに対し、マンションの資産価値「向上」は機能をグレードアップすること。機能を改善するというイメージです。環境や入居者の暮らしの変化に対応するために改善を図っていくケースがあるほか、法改正によって改善を迫られるケースもあります。
分かりやすい例を挙げると、地上デジタル放送への対応やインターネット環境の整備、太陽光発電・オール電化の導入やバリアフリー工事、電気容量や給水システムの変更などが、マンションの資産価値向上にあたります。時代の流れや入居者の生活の変化、法改正に対応しながらマンションの資産価値を向上させることは、大規模修繕工事の重要な役割なのです。
- 外壁のコンクリートやタイルが落下して、入居者や第三者に被害が生じる。
- ベランダの手すり錆びて壊れ、入居者が転落する。
- 雨漏りによって、入居者の生活に支障が出る。
- 水道から赤水が出て、健康被害が生じる。
- 排水管が破損して、排水が漏れ出てくる。
- 排水管が詰まって、汚水が室内に逆流する。
- 外壁劣化によって躯体が傷み、建物自体の耐久性が下がる。
- 電気関連の盤や共用部分の扉などの鉄部が錆び、交換が必要になる。
- 外壁や天井に汚れ・錆びが発生し、見た目が悪くなる。
- 建物が汚れてくると、入居者が快適に過ごせなくなる。
- 入居者が転居して、空室状態が長く続く。
- 秩序が乱れ、落書きなどのいたずらや空き巣などの犯罪が発生しやすくなる。
大規模修繕工事には、屋上防水や外壁塗装以外にも様々な工事があります。部位ごとに改修を行う周期はおおよそ決まっていますが、大規模修繕は必ずしもその周期に応じて実施するものではありません。当社では、建物の傷み具合や管理組合様の状況などを考慮したうえで、実施する工事内容を決定しています。
屋上防水工事、床防水工事 | 躯体の補修工事 |
コンクリートのひび割れ、欠損、爆裂など の補修工事 |
外壁塗装、タイル清掃・貼り替え工事 |
鉄部塗装工事 | 給排水設備の更正・更新・システム変更 |
電気設備、消防設備などの更新 | 外構工事(駐車場、フェンス、植栽など) |
当社では、長期修繕計画の立案・見直しから大規模修繕をサポートしています。大規模修繕の専門スタッフ(一級建築士)が、現地調査および竣工図面との比較検討を行い、長期修繕計画(案)を作成。管理組合様と施工業者間での調整も行います。
スラム化しているマンションのほとんどは、外観や機能の面で大きな問題を抱えています。劣化が進んだ部分に目を向けずして、スラム化を解消することはできません。当社はこれまで、計画的な修繕工事で数多くのマンションの健全化を図ってまいりました。低コストでできる無理のない修繕工事からご提案させていただきますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。